庭師に聞いた!庭の花を長持ちさせる土づくりと方法 手入れのコツは?
涼しくなって花が終わる時期がくると、庭が寂しくなってきますよね?
庭いじりは、花が美しい季節は楽しいですが、花が終わりに近づくとおっくうになってしまいます。
でも、土づくりをきちんとすれば、花を長期間咲かすことができるんですよ!
基本的な土壌づくりは分かっている方も、気候や庭の場所ごとにに違う日照条件も考慮することで、花の持ちがだいぶ違ってきます!
ここで紹介する「土づくりの方法」と「手入れのコツ」を取り入れて、花が長く咲く庭を作ってみましょう!
なぜ土壌改良が大切なのか?
肥料をやったり~、丈夫で強い植物を植えてみたり~、、、きれいな花壇にするために努力をしている方もいるかと思います。
しかし、どんな植物を選んだとしても、一番大事なのは根をしっかり育てる土壌づくりです!
なぜなら、植物は、ほぼ90%根から栄養を吸収するからです!
もちろん、日光からも光合成を行い生きる生命力をもらいますが、ほとんどの栄養は土!
人間で言ったら土の養分が「食事」であったら、根はそれを運ぶ「血液」のような存在です!
その根が養分を運べないと、痩せて短命な花になってしまいます。
なので、しっかり土壌づくりをし、養分がサラサラ流れる根を育てましょう!
花を長持ちさせる方法【根を育てる土づくり】
しっかりとした根を育てる土とは、水性植物などの有機物が混ざり、通気性かつ保水性に富んだ水はけの良い、柔らかい土を言います。
一見、保水性(水もち)、排水性(水はけ/通気性)とは反対の能力を意味するものですが、水を良く含む有機質土と、排水性のあるサラサラした土を半分ずつ混ぜることで、良い土壌環境になります。
花壇の庭の土づくり手順
- 40~50cmほど掘り返し、ゴミを取り除きます。
- 水はけが悪いところは、底に砕石をひき、粗めの砂を入れる。
- 土に消石灰や苦土石灰をまき1週間寝かせる。(石灰と腐葉土は、同時に混ぜると効果が薄くなるので)
- 1週間後、赤玉土・腐葉土・バーミキュライト・元肥を土によく混ぜる。
- この状態で1週間放置し、出来上がり!(すぐに植栽すると根に悪影響の可能性もあるので、この状態で1週間放置してから草花を植えましょう!)
ホームセンターに売っている培養土はどれを選んだらいいの?
肥料・腐葉土・石灰などを混ぜ合わせた培養土はホームセンターにも色んな種類が売っていて、簡単に花壇や畑が作れるので人気です。
しかし、配合の割合は種類によってさまざまで、どんな植物に向いているか分かれていますが、使う場所の土壌がその培養土に適しているかは分かりません。
なので、含まれている肥料成分と花壇の土壌環境の相性も考慮しましょう。
肥料はどれでも良くない!元肥と追肥
元肥は、種まきや苗木を植え付ける前に、土壌に与えておく肥料です。
元肥は、効果がゆっくりと持続する遅効性肥料(緩効性肥料)で、追肥は即効性のある肥料。
肥料ならどれでもいいや~と思って追肥を入れてしまうと、最初は元気にグングン成長しますが、直ぐに元気がなくなってしまうので、土壌づくりには「元肥」を使いましょう!
鉢植えに比べ、一度作ってしまえば、再度土づくりをしたり、植え替えることが少なくなる、地植えの庭の花壇。
最初の土づくりが、花の持ちや生育を左右するので、しっかりと土壌づくりをしましょう!
花を長持ちさせる方法【プランターやハンギングの土づくり】
プランターやハンギングなどは、その都度新しい土を使用しましょう。
赤玉土5:腐葉土3・バーミキュライト2が基本的な割合ですが、置く場所によって少しずつ配合を変えると、花が長持ちします。
プランター/鉢植え/寄せ植え
赤玉土6:腐葉土4:元肥少々
ベランダ/ハンギング
環境 風通しがよく乾燥しやすい
対策̻̻̻̻ バーミキュライトを足して水もちを良くする
赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2:元肥少々
水やり 乾燥しやすいので、水やりで肥料が足りなくなりやすいため、追肥を頻繁にする
室内
環境 空気が動かないのでカビが生えやすく、根腐れしやすい
対策 換気・受け皿に水を溜めずに清潔にする
赤玉土5:腐葉土2:ピートモス3:元肥少々
日陰・北側に置く場合
環境 土が乾きにくく、水はけが悪くなる
対策 軽石を混ぜる
赤玉土5:腐葉土3:元肥少々:軽石2
花を長持ちさせる方法【酸性の土壌には】
基本的に、日本の土は酸性寄りに傾いています。
そのため、アルカリ分の高い石灰を混ぜて酸性度を弱めます。
苦土石灰は、さらに苦土(マグネシウム)が含まれています。
苦土は葉緑素を作る性質があり、これが欠乏すると、葉が枯れたり、黄色くなったりします。
苦土が十分の土壌でしたら、消石灰だけで大丈夫です。
上記の「花壇の庭の土づくり手順」にもあるように、最初に石灰を薄くまいて、スコップでよく混ぜ合わせたら、1週間ほどおくのがポイントです!!
1週間経ったら、腐葉土や肥料などを混ぜ合わせ、土壌づくりをしましょう!
花壇の土が酸性かアルカリ性か、きちんと知りたい時は、「土壌酸度計」や「酸度測定液」で土のPhを調べることができます。
価格もピンからキリですが、家庭用なら3000円程度のもので十分だと思います。
石灰をまきすぎてアルカリ性に傾むいてしまったら、酸性の土(ピートモスなど)を混ぜ合わせて中和させましょう。
通気性の良いバーミキュライトを使用する場合は、一般的には中性ですが、中にはアルカリ性のものもあるので、注意が必要です。
マリーゴールドは土壌が酸性だと育ちが悪くなる。
花を長持ちさせる方法【土づくりに適した時期】
一度良い土を入れた花壇でも、年に一度は土壌改良を行いましょう!
適した時期は、新しい花壇なら冬(霜が下りる前か雪が解けた早春)です。
気温が低い空気に触れさせることで、土が柔らかくなり、土の中にこもっている病害虫を寒気にさらすことで駆除できます。
すでに植物のある花壇では、夏がおすすめ。
反対に、ひんやりとした土の中にいる病害虫を、真夏の太陽熱で駆除します。
花を長持ちさせる方法【すでに植物が植えてある花壇で元気がなくなった場合は?】
病害虫が住みついた花壇の土や、一度草花が病気になったことがある花壇の土、固くなった土などは、植物を植えたとしても、また病気や害虫の被害が再発しやすくなったり、元気がなくなってしまいます。
さらに、雑草が生えやすい花壇も、草取りしても種や根が残っているので、新しく土を入れ直すか、土壌改良材を混ぜて作りなおしましょう。
プランターの土も土壌改良すれば、また花壇で再利用することができます。
古い土の土壌改良手順
- 古い土をふるいにかけて、根やゴミなどを取り除きます。
- 夏の天気のいい日に、土を掘り起こし(30㎝位)、日に当てます。
(夏なら2~3日、冬なら1週間、表土と深土の入れ替えを繰り返す) - リサイクル剤・土壌改良剤を土によく混ぜ合わせ出来上がり!
リサイクル剤や土壌改良剤は、石灰や有機肥料など必要な栄養が含まれているので、土に混ぜたら置かずにすぐに植物を育てられます。
これで、ふかふかで良い土になりますよ!簡単ですよね!!
花を長持ちさせる方法【水やりのタイミング】
地植えの花壇
庭の花壇の水やりは、真夏以外はあまり必要ありません。
真夏は、土の表面が乾いたら十分に与えます。
プランター
土の表面が乾いたら、底から流れ出るまでたっぷり与える。
(受け皿がある場合は、水は溜めておかず必ず捨てる!)
ハンギング
頻繁に。土全体に水が行き渡るように。
花期が長いものを育てる時は、即効性のある液肥をあげる。
花に直接、あまり水がかからないように与えると花が長持ちします。
また、プランターやハンギングは直射日光だとしおれてしまう事があります。
そんな時は、日影を作ってやり、土が冷えてからゆっくりたっぷり水を与えましょう。
置いてある場所や、日照時間によって水やりの回数も違ってくるので、毎日、土に触れて判断してくださいね!
根腐れしてしまったら
根腐れしてしまったら、水やりが多すぎたという理由もありますが、土壌環境が上手くいっていない可能性が高いです。
この場合、水はけを良くするために、さらに
赤玉土(小粒)2:腐葉土1:バーミキュライト1を加えましょう!
水はけをよくしたい場合・・・バーミキュライト
水もちをよくしたい場合・・・パーライト
花を長持ちさせる方法【枯れた花の摘み取りはマメに!】
花が咲き終わったら、花がら(枯れた花)をマメに摘み取るのが大事!
そのままにしておくと、新しい花がつきにくくなったり、
病気の原因になることも!!!
花を長く楽しむのに大切なのが、花がら(枯れた花)はやがて結実します。
そうするとそちらに養分が取られるために、全体の花つきが悪くなり、株の寿命も短くなったりします。
また、そのままにしておくと、枯れた花が腐ったりカビが生えたりして、病気になることもあるので、落ちた花びらや葉も残さないように!
花がらの摘み取りやり方
◆しおれた花はそのままにしておくと、花付きが悪くなったり、病気になるのでマメに摘み取る。
◆花びらだけ取り、ガクが残ったままだと結実して種子ができます。花の茎からハサミで切り取ろう!
花を長持ちさせる方法【株を元気にするコツ!】
花が咲き切った時期に、全体の1/2の長さを残し、残りの半分の伸びた方の枝を刈り込みむことを「切り戻し」と言います。
「切り戻し」をしなくてもいいのですが、そのままだと花を楽しめる期間が短くなり、花数も寂しくなります。
元気な新芽が出てきて、再び花を咲かせるので、思い切って「切り戻し」をすると、長い期間花を楽しめます!
切り戻しのやり方
◆下半分を残し切り戻したら、追肥を与えます。(錠剤の緩効性肥料を根から離し、株の周りにおく。)
◆わき芽やこれから芽吹く節は残しておく。
◆切戻ししても、枝や葉が密集している場合は、根元から少し間引いて風通しを良くする。
◆切戻してカットした花は、花瓶に入れて切り花として楽しめます♪
私の庭自慢!
クレマチスモンタナとバラの庭
バラのアーチと小庭
腐葉土&家庭ゴミの堆肥作り
土中の良い微生物を増やし、水はけや通気性を良くする働きがあり、土壌改良ではなくてはならない「腐葉土」は、藁・落葉・野菜くずなどを腐熟させた肥料です。
この「腐葉土」は本当ならゴミになるものなのですが、自分で作ることで「節約」「ごみの削減」になるので、是非作ってみましょう!
落ち葉を利用した腐葉土づくりはこちら↓
野菜くずで腐葉土づくり
料理で出た野菜くずでも腐葉土は作れます。
土の中や段ボールを使って自然に堆肥づくりも出来ますが、私は臭いや虫が嫌なので、3000円くらいで密閉できる専用の堆肥作りのバケツを使用しています。
これ↓ ↓(楽天やAmazonに売ってます!)
野菜くずをポンポン入れるだけ!
水が出てくると、下の蛇口から水抜きできます。(この水は、水と混ぜて家庭菜園の水やりに利用!栄養たっぷり!)
生ごみ処理発酵促進剤が必要みたいですが、私は一切入れずに放置!
日当たりがいい場所においておけば、促進剤を使わなくてもちゃんと自然発酵で出来ます。密閉されてるので臭いも一切なし!!
※注意※肉や魚などの残飯は野良猫に掘り返されるので、野菜くずのみにしましょう!
卵の殻、出がらしの茶葉やコーヒーかす、天かすは発酵を促進してくれるので入れます。
生ごみが減りるので一石二鳥です!
地味だけど大切!「土づくり」
花を長持ちさせるには、土づくりが最も大切です。しっかりとした土壌環境を整えておけば、夏場の強い直射日光で元気がなくなっても、根がしっかりしていれば、すぐに息を吹き返してくれます!
土次第で、栄養や水分、温度調整と、色んな役割を担ってくれるので、花壇はもちろん、家庭菜園にも参考にしてみてくださいね!